旅行のパンフレットで、「妊婦さんに優しい宿」「マタニティープラン」などの文字をよく見かけるようになりました。
安定期に入った妊婦さんの旅行を、当院でも禁じてはいません。
しかし、リスクがあることは、知っておいて下さい。
今回紹介する東京の巨大テーマパーク近くの病院のケースでは、
10日に1人、ディズニーランドから病院に向かい、
6人に1人、そのまま入院し、
20人に1人、早産したそうです。
他に沖縄からの報告例もあります。
沖縄では5月の連休ぐらいから「マタ旅」妊婦さんの緊急搬送が増え、ただでさえ少ないNICUも満床が続くそうです。
飛び込み分娩。受け入れてもらえる病院は、少ないです。
親子手帳はなく妊娠経過は分からない、血液検査のデータもない。妊婦さん・赤ちゃん両方のリスクは計り知れません。
運よく無事に赤ちゃんが産まれても、早産の赤ちゃんは自分では呼吸もできません。NICU管理です。
いつ退院できるかも分かりません。知らない場所で頼る人もいない中、ホテル暮らしを続けることになります。
以前にお話した「妊娠中のお出かけ」のときも言いましたが、こまめに休憩を取り、無理をしないこと。
保険証と親子手帳は、必ず持って行って下さい。