妊娠したら食べ物の好みが変わったという話を多く聞きます。
体に悪いと解っていても、ジャンクフードやアイスクリームや刺激物に手が伸びる…。
あるいは、同じように食べているつもりでも、浮腫んだり太ったり…。
神戸松蔭女子学院大学の溝畑秀隆先生が、妊娠と味覚について実験をしています。
実験では、
味覚の基本となる5つの味(甘味・苦味・酸味・塩味・うま味)の液体を、少しずつ味を濃くしながら舐めてもらいます。
どれぐらいの濃さで味に気が付くか。
妊娠している女性と妊娠していない女性、それぞれが試したところ…
5つの基本味すべてで、妊娠している女性は妊娠していない女性に比べ、味が濃くなってからでないと気付かないという結果でした。
特に、甘味・塩味・うま味で、その傾向が強く出ました。
さて、これがどういうことか解りますか?
妊娠前に作っていた料理を、妊娠中だと、同じ分量で作っても味が薄いなぁ、と感じてしまうということです。
甘味・塩味・うま味を濃くしないと満足の味にならないのです。
甘味が足りない、砂糖をパラパラ。
塩味が足りない、塩をフリフリ。
うま味が足りない、醤油をタラーリ。
妊娠前と同じ味でも、糖分と塩分の増えた料理の完成です。
糖分の摂取量が増えれば、もちろんカロリーの摂取量も増えますから、太ります。
塩分の摂取量が増えれば、塩分濃度を薄めようと体は浮腫み、血圧は上がります。
プレママ雑誌などで、妊娠前よりも薄味を心掛けましょう、と書いていますね。
妊娠前とレシピを変える必要はありませんが、同じレシピで作っていると薄味に感じてしまうということを知っておいて下さい。
妊娠中は味に鈍感になっていると自覚すれば、味見の時の砂糖や塩のチョイ足しが必要ないことが判るはずです。
糖分と塩分の摂取量を適切にし、至適体重をキープしましょう。